エンタープライズとは、人間が構築したものであり、当然デザインされたものでもあります。 それは志を共有する人々によって構成され、実現されます。エンタープライズの創造には、専門家による多くのデザイン上の決断、つまりエンタープライズやそのさまざまな要素のさまざまな側面を組み合わせ、バランスをとることが必要です。
エンタープライズ・デザイン・ファセット:あらゆるエンタープライズに関連する3つの基本的な視点
エンタープライズ・デザインは、「アイデンティティ」「エクスペリエンス」「アーキテクチャ」という3つの首尾一貫した「ファセット」を通じて、エンタープライズの全体的なデザインを促進します。
孤立した視点による偏見や限られた視野を克服し、それらの交わりを見つめることで、私たちはその根本的な目的を達成するために、規律正しく、構造化され、全体的な方法でエンタープライズを共同デザインすることができます。
エンタープライズ要素: 4つの要素のみからなるシンプルな言語で、デザインの課題/分野を超えて普遍的に使用できます
エンタープライズ・デザインは、エンタープライズ全体をデザインの材料として、また対処すべき環境として理解することから始まります。ブランド、プロダクト、組織、プロセス、情報、テクノロジーなど、特定の要素だけにフォーカスした個別のデザイン原則のサイロは多数あります。しかし全体的な理解のためには、既存の領域とそれらが扱うエンタープライズの要素を矛盾なく相互接続する必要があります。エンタープライズは、その構成要素が整合し、全体として連動するようにデザインされているとき、非常にうまく機能します。したがい私たちはこれらの要素の関連性と相互作用を理解しなければなりません。このような全体的なアプローチによってのみ、関連するあらゆる視点からエンタープライズを見つめ、関連する依存関係を認識し、探求し、変革のための最大のレバレッジポイントを見つけることができます。そのため、エンタープライズ・デザインにはさまざまな専門分野が集まっています。エクスペリエンスデザイナー、サービスデザイナー、組織デザイナー、プロセスマネジャー、エンタープライズアーキテクト、ソフトウェアアーキテクト、マネジャー、エグゼクティブなど、さまざまな専門家が緊密に協力し、絶えず変化するエコシステムに対応しなければなりません。
エンタープライズをデザインすることは、人間の共創と協働のプロセスであることを忘れてはなりません。エンタープライズ・デザインに必要なのは、アナリティカル、ビジネス、テクニカル、コンセプチュアル、クリエイティブといったスキルだけではありません。 エンタープライズ・デザインはまた、耳を傾け、共同創造者と対話し、議論や意思決定プロセスを促進することでもあります。それは時に、一見相反する視点や利害を持つ複数の当事者の間の調停でもあります。エンタープライズ・デザインでは、このようなさまざまな分野の共同デザインプロセスをサポートするために、エンタープライズの広さと深さ全体にわたって、コ・クリエーターが探索、理解、コミュニケーション、共同デザインを行うのに不可欠なビジュアライゼーションを活用しています。
最後に、真のインパクトと影響力を持つためには、エンタープライズ・デザインは起業家精神と戦略的経営をサポートする必要があります。 私たち実務者は、最も影響力のある人々と提携し、政治的な問題に対処し、重要な戦略的決定が下される際に、これらの人々を後押しし、情報を提供し、助言することができる必要があります。
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エンタープライズとは、こころざしを共有する人々の努力です。
エンタープライズの最も重要な特徴は、人々を集め、彼らがこころざしを実現できるようにすることです。それは日々のニーズを満たす以上のもので、一人で達成し得ることよりも (はるかに) 大きくなり得ます。エンタープライズには、営利、非営利、行政、イデオロギー的な動機にまたがる目的 (パーパス) があります。エンタープライズは、ケイパビリティを行使し、アウトカムを達成するために、タスクを遂行する人々で構成されています。
この「エンタープライズ」の定義は、エンタープライズに対する一般的な法的・財務的な見方を超えて、人間を中心とした総合的な見方へと移行するものです。
こころざしを達成するために人々が集まる方法はいくつもあります。人々は自己組織化することができ、その相互作用の背後に明確に認識できる組織形態がなくても、自発的に相互作用することさえあります。エンタープライズの規模が拡大すると、通常、企業、協会、エンタープライズグループ、部門、研究所など、より正式な、しばしば法的な事業体が設立されます。これらの組織はエンタープライズではなく、人々のコラボレーションをサポートする構造、ツール、プロセスを提供し、そのコラボレーションの予測可能性と (法的) コンプライアンスを強化することで、エンタープライズに貢献しています。
「エンタープライズ」と「オーガニゼーション」という言葉は、あたかも同じ実体を指すかのように、しばしば同じ意味で使われます。しかし、エンタープライズ・デザインの目的においては、「オーガニゼーション」がそのサービスを提供するエンタープライズ全体をカバーすることはめったにない、ということを覚えておくことが重要です。ほとんどの場合、エンタープライズには組織の境界の外に存在する部分があり、それは組織の管理外でありながら、組織の (相互の) 影響力の範囲内にあることを意味します。
EDGY仕様では、エンタープライズ・デザインの対象となるエンタープライズを指すために、「私たち」という言葉を使用しています。
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